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昨日のダメな出来は、一時的だった。だって今朝の訓練(26時間目)はちゃんと出来た。昨日出来なかった理由がヘリコプターのクセのせいなのか、風のせいなのか、自分のカンの狂いと疲れのせいなのか、実はそれは分からない。まだヘタッピーのボクには、強い風は大敵だ。風が強まったり弱まったりするだけで、機体の揚力が変わって上下に振れ、機体の向きまで変わって来るから、初心者にはたまらない。その風はフロリダでは朝が弱く、午後に強まる。だから朝の飛行の方が簡単らしい。(ただし、10月にはそうだけど、12月から2月の冬には風がないそうだ。冬は暑くなく、雨がなくて乾いて、飛ぶのも簡単な季節だそうだ。)でもとにかく、ちゃんと飛行できたらボクはハッピー。
今朝は同じ寮に住むポールを車に乗せて学校に来た。ポールは飛行学校のインストラクターに成りたいと言う。インストラクターの仕事ね。じゃ、ここで、どんな人が飛行学校の教官をやっているのか説明したい。それは飛行学校卒業ホヤホヤのヒヨコ・パイロットちゃん達だ。ヘリコプターのプライベートと計器飛行とコマーシャルの資格を取るのに大体200時間くらいの訓練が必要。飛行機なら150時間くらいらしいけどね。でも、そんな未熟なパイロットを採用する会社は少ない。それで多くの場合、さらにインストラクター養成コースで50時間ほど訓練し、教官の資格を取って飛行学校にインストラクターとして就職する。民間パイロットとして就職するには1000時間くらいの飛行経験が必要だから足りない750時間を教官として飛行して稼ぐわけ。 (残念ながら写真はボクの学校クラウド9じゃないです、すみません) 飛行学校はそういうインストラクターの足元をみて、安い賃金しか払わない。自給20ドルから25ドルと言われる。それも実際に飛んだ時間だけが支払われる。だからインストラクターは学校で朝8時から午後5時まで9時間待機しても、実際の訓練が1日2時間しか無ければ2時間分しか給料がもらえない。金銭的には割りの良い仕事じゃない。だけどタダどころか、少しでもお金を貰って飛べるんだから、ボクから見たらよい仕事に見える。それに、ボクはしばらく前にイギリスで学校の先生に転職しようかなと考えたことがあった。給料は高くないけど休みが1年に3ヶ月もあるので楽しそうに思えたから。ヘリコプターの教官はイギリスの学校の先生よりも楽しそうだ。いずれにしても、ボクもインストラクターの資格をとろうと思っている。そして1年くらい教官として飛行時間を稼ぎたい。その後、民間会社に就職するのか、インストラクターとして更にやっていくかは、その時考えればいい。 さて風の吹く午後の訓練(通算で27時間目)は、思った通りの強い風だった。でも、調子の良い飛行だった。朝と同じヘリコプターだったのが良かったのかな? 朝に操縦したので、クセが分かっていた。離陸、旋回、下降、着陸アプローチ、ホバリング、接地といういつものパターンでは、いまだに着陸アプローチが綺麗に出来ないものの、その他は大体OKだ。ダメな着陸アプローチもあと1日か2日やれば出来ると思う。要は慣れだからだ。最後にホバリングを練習していると教官のニールスが「ここで訓練中止にしようか?今日は朝も午後もどちらも上出来だから、ミスが出る前に中止にしてハッピーな気分で終わろうよ。」と言った。良い考えだ!ボクは気持ちよく今日の訓練を終わることが出来た。 【テクニカル編】 (このテクニカル編はヘリコプター・パイロットを目指す人のための技術説明です。パイロット希望でない人は読み飛ばしてください。) ノーマル・アプローチでもスティープ・アプローチでも、ボクは最後の100フィートの降下の時に調子が狂う。それは、キャブ・ヒートを押し戻す操作が作業全体のバランスを狂わすからだ。そして降下が止まるとか、前進が止まるとか、両方止まって空中停止してしまうとかになる。改善としては、素早くキャブ・ヒートを押し、手をすばやくコレクティブに戻してコレクティブの上昇を防ぐ(こうしないから降下が止まってしまう)。そして、とにかくサイクリック前傾を維持する。これらをマスターすれば着陸が改善できる。 ボクは離陸のときに横ぶれや上下の振れが起きる。ニールスはそれがなく安定している。全然違う。ニールスのやり方を見ていると早めに対応して影響を防いでいる。すなわち: 1)ホバリングからサイクリックをやや前傾して前進を始めるときにはコレクティブを上げて高度(2メートル程度?)を維持するが、トルクで右回転が起きる。これを防止すること。 2)しかし、16から24ノットに加速するとETL(揚力)が現れて上に持っていかれる(揚力が急増する)ので、サイクリックを前傾させてETLを前進速度に変える。このとき機体は左回転しようとする。ETLがもたらすパワーアップで右トルクが増すのでなく、ETLの効率の良さが右トルク減少するということ。だから右ペダルを少し踏む。 今日もニールスから「ホバリング時には下を見ないで、前方のREFERENCE POINT(目標物)をみろ」と言われた。いつも言われる! ヘリコプター パイロット 小林隆
by helicopter-pilot
| 2008-10-10 18:20
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